組モチーフと絵画の歴史について
今回は中学生~一般クラス・美大受験クラスで「組モチーフ」の制作と「絵画の歴史について」をおけいこしたので、それについてご紹介します。
はじめから置かれているモチーフをそのまますべて描いたらいいケースも多いですが、今回は「組モチーフ」の一部を描く課題です。
組モチーフとは…
複数のモチーフがセットされていて、多くの場合は全てを描くのではなく一部分を切り取って描くことが多い。
良い構図になるようにモチーフを切り取り、正確な構図になるまで何度も修正する。
慣れないうちは物ばかりに気を取られがちですが1番重要なのはテーブル面です。
それぞれの物がどこに置かれてあるのか。ものとものの隙間の空き具合、位置関係が重要です。
ここはテーブル手前のラインは水平ですが、奥行きのラインは垂直だと勘違いされますが斜めになってパースがついています。
ところが、ここから描く人は垂直と思いがちです。そのため、それぞれの位置関係に狂いが生じやすいです。
さらに難しいのがこのような位置です。
このような位置からだとテーブルの端のラインは全て斜めになるので惑わされがちです。
ご自身の目の前に水平や垂直の棒状のもの(鉛筆や筆など)を差し出して見比べると良いでしょう。
今回は形を時間をかけて修正しながら描き進めました。
また、絵画の歴史を図版を使って壁画から現代美術までの流れを説明しました。
壁画からはじまり、教えを広めるために教会が描かせた時代が長くあり、王侯貴族が自分の肖像画を描かせたり、そういう時代を経て、カメラが発明されたことや、貴族の没落があり、印象派がうまれ、色んな表現がうまれてきたということを画集を通して知ってもらいました。
西洋美術史を1分でまとめたら・・・
古代の壁画の役割は、呪術的なものであった。
中世キリスト教会では、当時聖書に書かれた文字を読める人が少なかった為に、それを絵で表したものを信者に見せて説教に使っていた。
王侯貴族は自らの肖像画を記録として描かせた。
画家は教会や王侯貴族から注文を受けて絵を描いていた。
産業革命が起こり市民が台頭し、その結果クライアントであった貴族が没落した。
写真の発明によりそれまでの写実的な役割は写真に取って代わられた。
近代、写実的な表現から離れて、見た印象を描く新たな表現を試みる印象派の画家たちの登場によって絵画の歴史はこの約150年間で大きな変様を見せている。