鑑賞課題(作品感想文)にチャレンジ!

今日は鑑賞課題(作品感想文)についてご紹介いたします!

ワークハウスでは、年に数回の頻度で鑑賞課題を行っており、今回は中学生や高校生の油絵作品を対象として課題にチャレンジしてもらいました。

鑑賞とは

まず「鑑賞」とは何か、を正しく理解するために、簡単に説明します。

鑑賞とは、作品を見て、そこから造形的なよさや美しさ、表したいこと、表し方などについて考え、作品などに対する自分の見方や感じ方を深めたりすることが鑑賞するということです。

自分の見方や感じ方を広げたり深めたりすることは、作品を制作することやその為に発想することにも繋がります。

課題対象展示の様子

今回は、部屋一面に展示された油絵を鑑賞し、感じたことを作文していきます。

鑑賞課題作成の様子

一面に並べられた課題対象の油絵は、お稽古の一貫として描いた中学生・高校生生徒の皆さんの作品です。

モチーフを囲み、一点一点仕上げました。

丁寧に添削を行います

生徒の皆さんから提出された感想文を一枚一枚、所長が添削を行います。

感じたことをうまくまとめて表現できる生徒さんもいれば、そもそも文章として問題がある(主語述語のレベル)生徒さんもおり、評価は様々です。ただ、今はできなくても、添削の結果を正しく理解しアウトプットの回数を増やすことで、必ず文章力は向上します。

鑑賞について(所長より)

絵や立体、工作に表す活動は、造形的な視点について理解する、つまり、感性や想像力を働かせ、対象や事象を形や色などの造形的な視点で捉え、自分のイメージをもちながら意味や価値をつくりだすことです。

自分のイメージをもつとは、表したいことを見付け、それをどのように表すか考えるということです。その際には、感性や想像力を働かせて、発想や構想を練る必要があります。

それを絵の具や粘土などの材料や用途に応じた用具を使って、表し方を工夫して表すのです。つまり、美術の技能を働かせて表す活動の良し悪しが作品の出来栄えに大きな差を生じさせてしまいます。それは個性として受用すればいいのですが、受験においては合否にかかわります。

作品を見て、そこから造形的なよさや美しさ、表したいこと、表し方などについて考え、作品などに対する自分の見方や感じ方を深めたりすることが鑑賞するということです。自分の見方や感じ方を広げたり深めたりすることは、作品を制作することやその為に発想することにも繋がります。

美術といえば、『作ること』のみが頭に浮かんで『発想』『鑑賞』のイメージを持たれる方は少ないと思います。でも、これらの3要素はお互い影響しあい美術の世界を作っています。これらをバランスよく学ぼうとする人は、そのスタート地点においての能力が高くなくても、造形活動を続けるうちに確実に上達していかれます。それに絵画・デザイン・立体などの全領域にわたってバランスよく実力をつけられる方が多いです。

 

教室では、中学生や高校生の油絵作品を展示し、小さい子どもたちには、口頭で、高学年には作文をして感想を述べてもらうことがあります。全く表現できない子もいます。

恥ずかしい、ということもありますが、思っていることを表現することは日頃から訓練しないと難しいようです。それは、これからの社会で求められる能力でもあり、今年の附属小学校受験の受験でも『しゃべれる子』が求められたようです。

中学や高校の中には美術館に行き美術作品を鑑賞してレポートを提出することが夏休みの宿題となることもあります。「作文は得意だけど、何も感じないから何をどう書けばいいのか解らない…」とお悩みの声を聞きたことがあります。その子と図録の作品を見ながら質問しながら話していくと感想がボツボツと出てきました。何も感じてない訳ではなく、アウトプットの練習をしてないだけなのです。

国公立大学の中に鑑賞問題や美術の小論文を出題するところが僅かですがあります。京大や阪大の美学は合格後の大学の授業で美術実技がありません。文学部の中にありますので、当校の指導範囲外です。しかし、デッサンなどの実技試験が全く不要で鑑賞問題のみで合格すれば、合格後の授業は実技で合格した人と同一の授業を受けることができる大阪教育大学の後期日程小中美術などもあります。

大阪教育大は前期日程の実技試験で合格するのがベストですが、不合格になった場合は後期で合格を目指すことになります。京都市立芸大希望者でも浪人できない場合は、こちらを併願されます。この場合は、その為の対策が必要ですが、簡単にした類似の問題の鑑賞問題に中学、高校1、2年生の頃から取り組んでいれば慌てなくてすみます。

多くの場合、その初期においては基本的な作文指導です。2、3回目になると作文能力が向上し、ようやく美術的な観点からの論旨の指導が出来るようになります。鑑賞問題の良い例・悪い例を示してあるので、それを参考に記述することができます。その結果は添削をして5段階で評価しています。

鑑賞が入試に出る出ないにかかわらず、作品を鑑賞し、そこから造形的なよさや美しさ、表したいこと、表し方などについて考え、作品などに対する自分の見方や感じ方を広げたり深めたりすることは、美術的な能力•資質向上の為に大切ですので、教室は鑑賞の機会は大事にしていきたいです。

鑑賞課題の対象クラス

鑑賞課題は受験コースだけでなく、中学生クラスの生徒の皆さんも対象としています。

文章力は受験だけに必要なものではなく、また造形活動だけに必要なものでもありません。自分の感じたことを、文章として表現する機会に乏しい昨今、こういった機会を是非活用していただきたいと思っています。

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